ナーチャリングを設計するときに考えたいポイント

活用ガイド

リードナーチャリングは、見込み顧客の購買意欲を喚起し商談や成約へ繋げるためのマーケティング活動です。成約までのプロセスが長期化している昨今、営業業務の効率化を図るためにも、見込み顧客の興味・関心を高めていくことが必要とされています。

MA(マーケティングオートメーション)はリードナーチャリングをするためのツール、と言っても差し支えないでしょう。しかし、いざ取り組んでみたものの思うような成果につながらないケースがあります。
そこで今回はリードナーチャリングでよくある失敗とその原因、そして成功に導くポイントについて解説していきます。


よくある失敗理由

・見込み顧客の件数(リード数)が少ない

リードナーチャリングは、見込み顧客の中からホットリードを抽出し、営業へのトスアップをするために行なう活動。ただし、その見込み顧客数が少ない場合、トスアップできる件数も少なくなってしまいます。
また質の高いリードのみを抽出しようとした結果、ホットリードの判断基準を厳しくしてしまいトスアップするリードの数がより少なくなってしまうこともあります。

元々のリード数が少ないのであれば、まずはナーチャリングの手前である「リードジェネレーション」施策に取り組み、リード数を増やすことが必要です。

・複雑なカスタマージャーニーマップ

リードナーチャリングを設計する際、まず見込み顧客が自社の製品やサービスを認知し、最終的に購買に至るまでの一連の行動を想定したカスタマージャーニーマップを作成します。これにより、各場面での課題発見につながり、各々に合わせた施策の立案ができます。

しかし、ここで自社の理想や思い込みが色濃く反映されている、あるいは複雑なカスタマージャーニーマップを作成すると、少しでも想定と外れた行動をとった見込み顧客を「見込み無し」と判断してしまいます。結果として、ホットリードを減らすことにつながります。

見込み顧客がカスタマージャーニー通りに動かないことはよくある為、あくまでも参考程度とし「顧客がどう思うかとの視点に立った施策の立案」という基本を忘れないことが重要です。


リードナーチャリング成功のポイント

・目的を明確にする

リードナーチャリングを行う際には、まず自社でその目的を明確にする必要があります。
例えば「ホットリードを増やし商談数アップ」や「見込み顧客との継続的な接点を持つ」など、自社の課題との整合性も踏まえた具体的な目的の設定を行いましょう。
目的を設定することで、どれくらいのリード数が必要なのかや目的に応じたコンテンツや施策、成果の判断基準が明確になります。

・まずはスモールスタート

失敗理由の一つである、複雑なカスタマージャーニーを設定してしまうと思ったような成果につながらないことも多くあります。
いきなり緻密なカスタマージャーニーマップを設計するのではなく、まずはシンプルな仮説設計からスモールスタートすることが重要です。

・PDCAサイクルを回す

カスタマージャーニーは、一度作成したからといって成果につながるとは限りません。そこで施策を実行して終わりではなく、目的に適うためには次に何をすべきかのPDCAを回し続けることが大切です。市場の変化とともに見込み顧客の行動も変容しています。定期的に見直しを行い、ブラッシュアップしていきましょう。

始めにシンプルに作ったカスタマージャーニーも、事実に基づいた検証を重ねるうちに精度を高めていくことができます。


まとめ

ここまでリードナーチャリングにおける失敗理由、そして成功のポイントについてご紹介しました。
よくナーチャリング(原語:nurture)は「育てる、育成する」と表現されることがあります。これは自社商材の興味を高めていくというアクティヴな側面もありますが、機が熟すまで待つというパッシヴな側面もあります。水をたくさんあげてもすぐに花が咲かないのと同様、時間をかけてリードナーチャリングしましょう。